無類の猫好き編


 猫大好きフリスピー。
 それが父、義男の最後の言葉だった。だからといって、私は何をしたというわけじゃないけどね。流しといた。アリを食べられる父の言葉に惑わされるなんて馬鹿らしいから。
 父の死に顔は猫好きにふさわしい、それ相応の顔だった。枝分かれしている。
 父は普段は坂東君だった。だけど、坂東君の顔は良く見ると、不細工で飴細工。幼い頃からそうだった。中2でやめたけど、また始めた飴細工。それはそれで堂々としていて、その凛とした姿が目に焼き付いてうざったいパンダ。
 パンダ寿司はちらし寿司だ。お吸い物はない。
 父は石鹸の香りがした。だけど、その父からは、もう石鹸の香りは香れない。私は残念だ。もう、おうどんのおかわりはいらない。お腹がいっぱいだからだ。夢もいっぱいだ。虹が架かる。父のあぐらに。
 一筆書きが得意だった父に贈る言葉はただひとつ。ピーターパン。もちろん、あの緑色の服のだ。あの深い緑は、私の憧れで、母の戯れで、まどろむ。
 あぁ、もっと父にピクニックを飲ませておくべきだった!あんなに父が欲していたのに、私は規制した。ピクニックを。ピクニックを与えられなかった父はモリモリ急成長できる時期を逃し、怖がってラクダに乗れなかった。家族全員乗ったのに、父だけ乗れなかった。こぶの問題ではない。これは父自身の問題だ!
 問題はまだある。蝶のりんぷんを妙になめたがったりする。蝶の羽をツルツルにするのに時間を割くな!無闇に枕を集めるな!父の枕コレクションはバラエティーに富んでいて、ちょっといい。将来は博物館を建てたいと、母にこぼしていたら、殴られた。2回。
 あと、揚げ足取りすぎ。


痛いって母さん