北へ北へと逃避行。フラッと立ち止まった漁港で。
「新鮮ですねぇ」
と声をかけたら、
「何が?」
って言われちゃった。魚のことは何も知らないので、何も言わずに立ち去った。なんかムカツクので、魚群探知機バッシング。
「おまえ、分かりにくすぎ」
虚しい。これはいくらなんでも虚しすぎ。だから、演じてみた。内縁の妻を演じてみた。魚群探知機の。
魚臭い彼のせいで、私も魚臭っ!
「あぁ、ソナーで私を探知してぇ」
探知できません。大漁旗、掲げられません。漁師料理、作れません。ダメだ、ダメダメだ。こんな腐った港とはおさらばさ。つうかね、俺、魚嫌い。食えないもん。