俺は神の化身だ。富と強欲の神、マンモンの化身だ。その証拠に、俺が家を建てる時は3階建てにすると、もう決めてある。
ガムは梅ガムしか買わない。これは俺の好みなんだけどね。もちろんその梅ガムは味がなくなるまで噛む。味がなくなった、その梅ガムは捨てない。新しいガムと合わせ、大きくなったような気分を味わう。
「それセコいだけじゃん」
違う。それは違うんだ。俺はつるぴかハゲ丸君の二番煎じじゃない。二番煎じじゃないけど、そのツッコミは俺の心をチクチク刺す。だから俺は本屋で、つるぴかハゲ丸君を匂わせるコロコロコミックの前を通る時は、薄目で通る。
薄目は良い。なんでもかんでも都合の悪いものを、甘〜い糖衣に包んでくれる。オブラートで飲みやすいのだ。
しまった!このままでは神の化身なのに舐められてしまう。もっとすごいエピソードを……。
俺は缶コーヒーは飲まない。炭酸飲料ばっかりだ。だって量が少ないんだも〜ん。
ざっぱっ〜ん
とうとう俺の本音が友達にばれてしまった。一気に飲むことができなくて、飲みごたえのある炭酸を選んでいることも……。単なる炭酸好きではもうすまされない。あいたたた。俺はついに居直ってしまった。
「そうさ、俺はケチさ」
逃げ道がなくなると、すぐ居直る人間には毛が生えない。無毛人間だ。無毛人間は猫と共に夜の公園に集まってくる。
この公園は水たまりが多くて、家に帰るとびっくりする。ズボンが汚いのだ。
その驚きを打ち消す第1の殺人が怒った。第1の殺人はなぜか、なぜだか、カリブ海の香りがする。世に言う「カリブで抱いて」ってヤツだ。
俺の中のかすかな女心で考えると、カリブで抱かれるってことは、バナナ3本食べると鼻血が出ると脅かされていたあの頃の純な気持ちに値する。
しかし、それは俺の女心がタヒチ出身の髪に花を平気で飾るあの子の場合だ。それ以外の場合は舌打ち音でっかいぞぉー。
ところで、カリブ海の香りってどんな香り?ハイビスカス?違うよね。う〜ん、焼きナスでいいんじゃない?
「よく分かんな〜い」
マンモン困っちゃった。