2軍編


「俺をベンガル虎扱いするな」
 それがあいつの口癖だった。虎の亜種。つまり虎の補欠。ベンチウォーマー扱いしないでくれって意味なんだろう。しかし実際、俺達は補欠なのだ。ベンガル虎、いや、虎じゃない。ちょっとでっかい猫なのだ。
 しかし、それは昨日までの話。なんとあいつに監督からお呼びがかかったのだ。俺とあいつは同期なのに、あいつに先に声がかかるなんて……。
 俺の能力はあいつと同等、いや、それ以上のはずだ。監督だってそれはわかっているはずだ。あいつが中なら俺は中の上。あいつが乙なら俺は乙の甲だ。あいつがムササビなら俺はモモンガ。あいつがワラビーなら俺はカンガルー。あいつがコアラなら……。
 いや、あいつはコアラだ。間違いなくコアラだ。ユーカリは好物だし、何よりお腹に袋がある。すると俺はなんなんだ?俺は……。


べんがる