不安材料編


「天丼がたらふく食いたい」
 それが俺とアイツとの誓いの言葉だった。アイツと戦うために、ここまで勝ち上がってきたんだ。あと1つ、あと1つ勝てばアイツと戦えるんだ。そのために俺は今日も革ジャンを羽織る。
 人は誰でも革ジャンを着たくなる時が来る。今、まさに俺はその全盛期。こんな俺が負けるはずがない。コンディションも最高だ。あとはリングに上がるだけだ。
 「ミルクの国」、それは立ち技最強と言われる、素肌にチョッキを着た格闘技。俺はミルクの国は得意だぜ。とにかく、ひとまず、何より、すなわち、今日の対戦者は誰だい?手編みの大橋かい?
 大橋は俺の欲張りダンスにびびっている。楽勝ムードが漂う。だけど、俺にも1つだけ不安なことがある。俺はグロッキーになると、片キンタマを引っ張られる感じに襲われる。どっちの片キンタマが引っ張られるかは、その時になってみないと分からない。主治医の言うことにゃ、
 右が引っ張られると……インド人喉カラカラ。
 左が引っ張られると……ランチタイムメニュー、品切れ続出。
 交互に引っ張られると……シンクの汚れがよく落ちる。
 3・7の割合で右が引っ張られると……今日のカレーがシャバシャバになる。
 ワンツーで引っ張られると……耳たぶすんごい。
 お湯でしゃぶしゃぶすると……ポン酢がよく合う。
 粉を吹くと……ピリピリ痛い。
この様に因果応報な俺の両キンタマ。
 さあ、来るなら来い。俺の緞帳はもう上がっとんのじゃ!
 時間差で引っ張られると……キンタマが水に浮く。マジで浮く。
 これは大変だ。飛んで日に入る夏の虫とはよく言ったものだ。まさに今、ソレがコレ。いや、コレがソレ。


へー、浮くんだ!すっげぇ!