俺の名は猛攻智史。敏腕パイロットだ。そしてこいつが俺の相棒、夢見る頃。夢見る頃は今では珍しい水栽培ロボット。
鋭く光る艶消しのボディに矛盾を感じながらも、俺はこいつとパイルダーオン。今日は椋鳥タイプでいこうと思う。くちばしが黄色なのが、憎い演出だ。
ジリリリリリリー!
サイレンがけたたましく鳴る。どうやら出勤のようだ。遅刻をすれば、隊長にボディプレスが待っている。休みも少ないし、これだから無産階級はつらいのよね。
「気を抜くな!ここは戦場だ!!」
で始まるいつもの申し送りはスクワットスタイル。大腿部がとってもつらい。
「ここがプロとアマの差だ!」
と叫びながら、隊長は手羽先を口に含む。もちろん鶏はブロイラー。
危ない、夢見る頃のプロペラがとれかかっている。これを貼り付けるのに、化学のりはダメ!絶対!!
どかーん。
「しまった!やられた」
「夢見る頃、故障はないか!」
「大丈夫です。プロポーションが崩れただけです」
「馬鹿野郎!俺にとっては死活問題だ」
コレだから駄目なんだ。お偉いさんは前線のことを何も分かっていない。そんなことでは小鼻が黒ずむ。Tゾーンがベタつく。にきびできる。俺困る。
「うわぁ、最悪だぁ」
父兄の皆様へ、自家用車は乗ってこないでと言っているのに、俺の親父は乗る。そんなことでは地球は救えないし、黄色いTシャツを着る意味もない。結局、イスカンダル星へ行かなくてはならなくなる。でも、そのおかげでプラモ馬鹿売れなので、一概に悪いとも言えない。